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Core Technologyカイコ-バキュロウイルス発現系

目的タンパク質の遺伝子が挿入された組換えバキュロウイルスをカイコ体内に注入すると、バキュロウイルスの増殖に従って目的のタンパク質が発現されます。発現した目的のタンパク質をカイコ体内から回収・精製します。

カイコ-バキュロウイルス発現系によるタンパク質生産の特徴

高い生産性

カイコ自体がバイオリアクターであり、一頭が昆虫培養細胞100mL~1000mLに相当するとされます。また、他の発現系と異なり大型のバイオリアクターを必要としません。そのため、多品種のタンパク質を省スペースで生産可能であり、スケールアップも簡易に行うことが可能です。

高い発現成功率

従来のタンパク質発現方法では生産が困難であったタンパク質も、カイコ生体を用いることで高い発現成功率が期待できます。

高品質のタンパク質

カイコで作られたタンパク質は天然型に近い翻訳後修飾を受けるため、高品質のタンパク質を生産することができます。

他のモダリティとの比較

KAICOのタンパク質発現系は、他のモダリティの弱点を補った、好いとこ取りの発現システムです。

大腸菌や酵母では翻訳後修飾が哺乳細胞とは異なることが多く、機能的なタンパク質の合成には不向きとされています。対照的に、カイコで生産されたタンパク質は天然型に近い翻訳後修飾を受けています。

また、カイコ生体を用いた発現のため、発現レベルも優れています。体長わずか2~3cmのカイコ蛹ですが、一頭で昆虫培養細胞100mL~1000mLに匹敵する発現レベルを有します。カイコ蛹の一頭一頭がバイオリアクターの役割を担うため、使用する蛹の頭数を増やすことでスケールアップも可能となります。

KAICOのプラットフォームでは、カイコ蛹を天然バイオリアクターとして使用することで、従来のバイオ生産で必要とされてきた規模のインフラが不要となり、また、これまで多種多様な組換えタンパク質の合成で培った経験から最適化した生産方法により、他システムと比べたコスト削減に貢献します。