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プレスリリース 2023/03/03

KAICOが主導する「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物実用化」プロジェクトが第5回日本オープンイノベーション大賞で経済産業大臣賞を受賞

KAICO株式会社(福岡市西区、代表取締役:大和建太、以下:KAICO)は、内閣府が主催する第5回日本オープンイノベーション大賞において、当社が推進している「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の実用化」プロジェクトにて、技術導出元である九州大学、資本提携先である双日株式会社(以下、双日)と共に、経済産業大臣賞を受賞いたしました。

第5回日本オープンイノベーション大賞表彰式の様子

  • 日本オープンイノベーション大賞について

研究開発等の成果を迅速に社会実装し、社会課題解決や新たな価値創造につなげるための方法として、組織の壁を越えて経営資源を組み合わせるオープンイノベーションが注目されています。
日本オープンイノベーション大賞は、日本におけるオープンイノベーション推進を目的として内閣府が主催しており、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組が、担当分野ごとの大臣賞等で表彰されています。

参考:第5回日本オープンイノベーション大賞について

  • 経済産業大臣賞:ブタ用経口ワクチン・飼料添加物実用化プロジェクトの概要

経口ワクチン・飼料添加物とは
経口ワクチンとは、注射ではなく、口から摂取することで抗体価を上げるワクチンです。九州大学からの技術導出を受けたKAICOのコア技術、昆虫カイコで目的タンパク質をつくる方法(カイコ-バキュロウイルス発現系)において、ブタ用経口ワクチンの原薬となる抗原タンパク質の生産に成功しています。この抗原タンパク質は、経口ワクチンとして薬事承認を目指す一方で、飼料添加物として飼料に配合して流通させる事業を、事業パートナーであり出資先でもある双日とともに進めています。

プロジェクト概要については以下資料のP.8をご参照ください。
▼受賞取組・プロジェクトの概要について(PDF形式)

プロジェクトの目的
経口ワクチン・飼料添加物は、常温保管が可能で、注射器や接種のための医療人材も不要であることから、流通コストや投与コストを大幅に低減することができます。また、ワクチンが普及していない国や地域においては、感染症が蔓延している養豚農家も多く、感染により肥育が不十分なままブタを出荷せざるを得ないケースが多くあります。そのような養豚農家の生産性向上を目的として、飼料添加物として飼料に配合して流通させるビジネスモデルを構築しています。

評価のポイント
経済産業大臣賞の受賞に際しては、フードロスや殺処分という問題に対して社会的意義が大きい点、九州大学の基礎研究をベースに、大学発ベンチャーであるKAICOが製品開発を行い、大企業である双日がバリューチェーンの海外展開を担うという、オープンイノベーションの好事例である点が評価されました。

  • 事業パートナー:双日株式会社生活産業・アグリビジネス本部食料事業部 須藤部長のコメント

双日株式会社生活産業・アグリビジネス本部食料事業部須藤部長この経口プロダクトで最初に上市を目指すベトナムは当社の注力国であり、既に同国で展開している飼料事業、畜産事業等と今後大きなシナジーが期待できます。
東南アジアの中でも経済成長著しいベトナムは中間層の人口も伸びており、畜肉の安定供給に対するニーズは今後益々高まることと考えられます。当プロダクトの普及はベトナム第一次産業の生産性を高め、同国畜肉市場の成長にも大きく寄与する可能性があると確信しています。

  • 今後の取り組み

KAICOは、昆虫カイコを利用して難発現(生産の難しい)タンパク質を生産し、そのタンパク質でこれまでにない医薬品・診断薬・試薬を開発する九州大学発ベンチャー企業です。今回、経済産業大臣賞受賞した「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の実用化」プロジェクトでは、2023年度にベトナムでの販売開始を目指して取り組んでいます。
今後もKAICOの技術を様々な製品開発に活かし、動物と人のヘルスケアを中心とした社会課題の解決を目指していきます。

<会社概要>
会社名   KAICO株式会社
代表者   代表取締役 大和建太
設立日   2018年4月2日
本社所在地 福岡県福岡市西区九大新町4-1
事業内容
(1) タンパク質の受託発現
(2) 試薬・診断薬・医薬品原料の製造・販売
HP     https://www.kaicoltd.jp