蚕ってなに?
絹糸や絹織物で知られる蚕(カイコ)。
蚕と言われる昆虫と人との関係は数千年もの歴史があるのです。
そんな蚕は現在、糸だけではない他の形で活躍する可能性を秘めています。
「蚕(カイコ)」は、そもそも近代日本の発展に大きく貢献した昆虫で、蚕の繭(マユ)が作りだす上質な糸を使った絹糸や絹織物等はかつて日本最大の輸出品であり、日本全体では年間40万t(約2000億頭)も生産されていました。なかでも群馬県は日本最大の産地であり、令和の現在でも養蚕農家数、繭生産量、生糸生産量はともに日本一を誇っています。
そんな蚕は蛾(ガ)の一種でありながら、人が品種改良を重ねた結果、翅はあるものの飛ぶことができなくなり、餌である桑の葉も人が与えないと食べることができない、生きていけない家畜昆虫となりました。1匹2匹ではなく1頭2頭と数えるのは蚕が家畜昆虫として大切な存在として扱われてきた名残があるからです。
養蚕は主に5月〜11月の間に行われており、時期によって5月初旬の春蚕(はるご)から始まり、夏蚕(なつご)、初秋蚕(しょしゅうさん)、晩秋蚕(ばんしゅうさん)、晩々秋蚕(ばんばんしゅうさん)、初冬蚕(しょとうさん)と呼ばれています。
通常、蚕は4回の脱皮を繰り返した後、繭をつくり、蛹(さなぎ)になります。脱皮の前には、桑を食べるのを止めて準備する期間があり、それを「眠」と呼んでおり、桑を食べて活動する期間を「齢」と呼びます。卵から孵化すると第1齢、第1眠(3〜4日)、第2齢、第2眠(3〜4日)、第3齢、第3眠(3〜4日)、第4齢、第4眠(7日)、第5齢(8日)と成長し、第5齢の最後は桑を食べなくなり、体がアメ色に透きとおり、糸を吐いて繭をつくり始めます。
従来の蚕糸業では不要とされていた蛹。当社コア技術である「カイコ-バキュロウイルス発現法」により、不要とされてきた蚕蛹を用いて様々なタンパク質を発現させています。
この技術を応用し、タンパク質の受託トライアル発現や自社ワクチン開発プロジェクトを進めています。
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