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Column

カイコ-バキュロウイルス系組換えタンパク質

New! タンパク質発現系 ②現在のタンパク質製造方法が抱える課題

以前のコラムでタンパク質発現系の種類について紹介しました。

タンパク質を発現させる際は、目的タンパク質の特性や用途に応じて発現系を使い分ける必要があります。

バイオ医薬品の開発には大腸菌や酵母、哺乳細胞を用いた系が多用されています。例えば、これまで薬事承認されている抗体医薬品の半数以上がCHO細胞(哺乳細胞の一種)由来といわれています。これらの系が選ばれる背景には、大量生産が可能であること、生体内での親和性が高いこと、企業によっては十分な製造プロセスのノウハウがあることといった理由があります。

世界の医薬品市場に目を向けると、全医薬品に占めるバイオ医薬品の割合や販売額は増え続けており、今後も成長が期待されています。バイオ医薬品のシーズとなるようなタンパク質の中には、生体内に存在しているが現在多用されている発現系では発現させることが非常に困難なタンパク質、もしくはごく微量しか発現させることができないタンパク質がまだまだ多数存在しています。そのために再生医療や遺伝子治療等の最先端分野において、研究が進んでいないケースが多々あり、高機能タンパク質の安定供給が課題となっています。

そこで、KAICOはカイコバキュロウイルスでしか発現させることができない高機能タンパク質の発現に取り組んでいます。

また、現在のタンパク質製造は大量生産を前提にしているため、タンパク質を安価かつ安定的に供給するためには、プラント設備等を建設する必要があり、少量多品種への対応が困難です。

KAICOはカイコ生体を用いてタンパク質製造を行うため、大規模なプラント設備が不要で、スケールアップ検討が少なく、少量多品種の生産に対応する短期間かつ低コストでの製造を目指しています。